2007年4月11日水曜日

空との距離の話

デジタル・デバイドって、あるじゃないですか。デジタル技術活用できる人と、そうじゃない人で立場に差が出てくるってやつです。僕、自分は、デジタル・デバイドでいえば、「活用できる」側だと思ってました。ファミコンが発売されたのも小学校中学年の時だし、子供の頃から BASIC でプログラム組んでたし。未だにちゃんと最先端を走っていると思っていました。先日、同僚の、と、ある行動に遭遇するまでは。

その日、朝晴れていた空は昼には曇りだし、そして夕方には雨が降り出しました。その日、僕は自転車で職場に来ていました。朝、晴れていましたから。朝晴れているときには、出来る限り車ではなく自転車で通勤するようにしています。メタボ、怖いですから。でも、当然の事ですが、自転車で来ている日には、帰る時の天気が気になります。今の仕事は帰りも遅いし、最近春なのに寒いし。寒い日の雨の夜、ズボンのすそをぬらしながら自転車を押して家路をいそいでいると、本当に、悲しい気持ちになるのです。

雨の夕方が過ぎ、夜遅くなり、そろそろ帰ろうかと思った僕は、自分のデスクのPCの画面を見つめたままで、なにげなく「まだ、雨ふってんのかな?」と言ったのです。特に誰の答えも期待せず。

10秒ほどの沈黙の後、僕の後ろの席に座っている山成君がネットをチェックしながら言ったのです。「衛星写真だと、この辺に雨雲はないですね…」

え?え!えぇ!!衛星写真!? いや、そうか、うん、確かに。衛星写真は現代の天気予報の基本。衛星写真を使うことで現代の天気予報は格段に的中率があがったのです。いわんや、今現在の天気おや。しかも、いまや、衛星写真なんてネットですぐに手に入ります。「衛星写真×今の天気=100% 的中」の方程式です。

でも、僕ならそんな時どうするかなあと。多分、窓の外を見ます。だって、顔をちょっと回せば窓ですから。「窓の外=今の天気」の方程式です。でも、デジタル「使える側」にいたはずの僕の使った方程式は、同じデジタル「使える側」だと思っていた山成君の使った方程式と違ったのです。いや、でも、そういう問題でもなく…。なんというか、僕が言いたいことは、そういうことではないのです。その、あの、えーと…

「窓のそとみりゃいいじゃん!」

そう!これです。いや、確かに、彼の方程式は正解です。衛星写真見りゃ、雨かどうかぐらいわかります。立ち上がって3歩あるきゃ今の天気はわかんじゃん!なんでわざわざ大気圏外まででるんだよ!!宇宙経由ですぐ横の天気確認かよ!

まあ、吠えてみても始まりません。ここで衛星写真じゃなく窓の外を見た僕は、本当はすでにもう、重力に魂を引かれた古い地球人にだったのでしょう。

Joschi

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